庭に野菜を植えて食べる、家庭菜園か、畑を耕して、野菜をたくさん作って利益を上げる、農業か?
自分で食べる為だけであれば、そんなにお金もかかりませんし、そんなに仕事も多くなく、食べきれないほどの野菜を作ることができます。
しかし、野菜でお金を稼ぎたいなと思うのであれば、それは農業になりますし、農業をしようと思うのであれば、作った野菜を売ることを考えなければなりません。
野菜を売る。このことがハードルが高い。
しかし、野菜を売らなければ、タネや農業資材などは結構お金がかかる農業。
継続することが難しくなってしまいます。
私の考える、野菜を売るということについて、記事にしてみたいと思います。
お金を出してくれるのは人である
ついつい忘れがちなのですが、お金を持っていて買ってくれるのは人であり、買ってくれるのも人であるということです。
そして、お客様はシビアに見て買い物をします。
例えば、良い野菜が1つしかなくて他の3つはあまり形の良くない野菜があったとしたら、良い野菜1つだけ買って帰ってしまい、他の3つの野菜は残ってしまいます。
良い野菜と形の悪い野菜と合わせて買ってくれるようなことはありません。
クオリティーが高いものしか売れないのです。
農家は商売人の面も必要
農家のことを百姓、といったりします。
百姓というのは、百(たくさんの)姓(しごと)をする人ということ。
農業は幅の広い仕事をする産業であるということですね。
大工作業も必要ですし、たくさんの工夫を重ねながら農業を営んでいきます。
その一面として、商売も必要であるということです。
でも、商売は難しいですね。
野菜を売る方向性について考えてみたいと思います。
野菜を売る場所
スーパー
道の駅などの直売所
野菜の卸市場
自分で手売り
無人販売所(自己運営)
このくらいでしょうか?まだあれば、教えていただけると有り難いです。
スーパーや直売所
道の駅などの直売所で売る道が、個人的には最善の方法かと思います。
最近は、スーパーでも地産地消のコーナーを準備されていて、私たちでも契約すればやさいを並べることが可能です。
お客さんも多く来ますから、よくできた野菜を袋に詰めて売れば、難しくなく売れるでしょう。
ただ、これには年会費やコストがかかります。
年会費は私の地域では3,000円ほど。
この年会費がネックになり、私は契約していませんが、売り場を確保するには、この道が王道でしょう。
年会費とそれぞれの野菜を売った場合、手数料が2割ほどかかるようです。
野菜の卸市場
卸市場も野菜をお金に変える道でしょう。
しかし、ここはプロが出入りする場所ですから、家庭菜園レベルの素人はなかなか難しいのかなと思います。
一箱いくらで取引されますから、一度に大量の野菜を収穫できないと、一箱に満たないわけです。
野菜の卸市場もなかなかのハードルの高さかと思います。
自分で手売り
この方法は、うまくやれば最高に確実で良いやり方です。
この方法で、利益を上げている方がいらっしゃいます。
これぞ商売人という感じですが、買い手に気持ち良くいて欲しいので、「売りつけられた感」が出ないように配慮したいところです。
私は何度かこの方法をやりましたが、買い手の方が、普段の買い物と異なるので、断りにくい状況になります。
お互いに気を使う状態になりますので、よっぽど「買いたいよ!」と言われない限り現在は手売りしていません。
ただ、上手にやればかなり確実に野菜をお金に変えられる方法ですね。
初期投資やコストも必要ありません。
野菜の無人販売所
私のメインの野菜売り場は、自分で作った無人の野菜販売所を運営して野菜をお金に変えています。
2年2ヶ月運営してきましたが、感想としては、売れ残りは覚悟の上ですね。
お客さんは、もちろんあんまり来てくれませんから、少ないお客さんでも買ってくれるような安い価格設定にしなければなりません。
外で売ることになりますから、夏場は野菜がすぐにダメになってしまいますし、設備の初期投資もある程度必要です。
無人販売所の設置や場所の確保、のれんやのぼり、看板の作成など。
なかなか、作った野菜をお金に変えるというのは大変なことなのですね。
私が無人販売所をする理由
一番の理由は、家が国道沿いで、無人販売所を人通りの多い場所で、無料で運営できる。駐車場も広く取れている。という点です。
商売で1番大切なのは場所。と言われます。
どんなに良い野菜も、山奥で売っていては、なかなか売れないでしょう。
人通りの多い場所で無料で運営できるのは、私の最大のメリットだと思っています。
その他、無人販売所のメリットは、時間的に自由です。
雨が降ったら休みますし、仕事も他に持っていますから、その状況次第では自由に休めるわけです。
しかし、お客さんは毎日品出しすることで付いてくれるわけですが。
どこで売るにも良い野菜を作らないと売れない
売ることばかり考えていると、良い野菜ができなくなります。
どんな商売でもそうだと思いますが、良い商品を準備できなければ売れないわけです。
まずは、良い野菜を作ることに全力であってほしいと思います。
その中で、どこで売ってお金に変えるのか、考えながらやっていくことが必要でしょう。
少量多品種の畑と無人販売所
私の畑、コール畑は、少量多品種の畑です。
たくさんの品種を少しづつ作っています。
この、少量多品種と無人販売所は相性がとても良いです。
少量多品種だと、野菜があまり切れずに、毎日のように色々な野菜を無人販売所に並べることができます。
一品を大量に作ると、どうしてもたくさん収穫できる時期と、収穫できない時期が生じてしまいます。
収穫が無いと、営業できません。
あんまり営業していないと、お客様が離れてしまいます。
こまめに色々な品種の作物を作ることによって、安定的に無人販売所を営業できるのです。
毎日営業することの大変さ
個人で営業するということは、毎日収穫して、毎日袋詰めして店を出さないといけません。
雨の日も風の日も出店しないといけないというのは大変なことです。
個人で無人販売所を運営していくというのは、休みがないということです。
道の駅などの直売所では、週1回でも収穫があった日に出せば良いので無理なく続けられそうですね。
野菜を売るまとめ
野菜を売るには、それなりに大変だということがお分かりいただけたかと思います。
しかし、作った野菜を売る道を作っていかなければ農業として成り立ちません。
農業を続けられるか、やめてしまうかの差は、この売る道を作れているかいないかの差であると言えるでしょう。
1日に300円ほどの売り上げでも、毎日続いていけば、月にすれば数千円の稼ぎになっていきます。
種代だけでも1,000円では足りません。
農業資材などを考えると万越え確実の農業。
お金がかかりますよね。
少しでも足しになるように、そして、野菜が売れるとまた、やる気が出てくるものです。
頑張って野菜を売る道を作って、農業を楽しく続けてください。