もう20年も前の話になりますが、19歳の夏、中国の山東省を旅した事があります。
若気のいたりと言えばそれまでですが、小・中・高と野球で鍛えた体力で、自信があったのだと思います。
しかし、旅や野営の経験がほぼ無い状態で、猪突猛進の中国旅は、死にそうになり帰ってきました。
そんな若い頃の1ページを楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。
20歳になるのに、海外に出た事ない!
何故中国を旅したか?
実際、どこでも良かったのですが、日本の外の地を踏んでみたかった。
日本の外を見てみたかったのです。
「もうすぐ20歳になるのに、外国に行った事ない!」
と言って、韓国か、中国か、ベトナムか?近い外国を考えていました。
1番安く行ける場所はどこか?調べた結果、中国が安い。
韓国もあるけど、韓国はちょっと近すぎるから、中国にしよう。
という事で、中国に行くことにしたのです。
下関からフェリーで中国の青島に行ける!
下関から国際フェリーが出ています。
飛行機よりもフェリーが好きだし、安いのでフェリーで行くことに。
下関までは50ccのスクーターで行きます。
鹿児島から下関までは丸一日で行けます。
という事で、中国に行くための準備を進めていったのでした。
旅行会社に相談しておいた方がいい
様々な情報を収集しながら準備をしていて、その中に、旅行会社は通しておいた方がいい。
というものがありました。
近くのスーパーに旅行会社が入っていたので、そこに行って話をしてみました。
「心配だなぁ〜」
と言っていただいたのを覚えています。
年齢は50歳ほどの恰幅のよい男性でした。
ビザ無しで行くので14日くらい行きたいのですが。と言うと、
「台風などでフェリーが出ない場合がありますから10日間にしておきましょう」
など、具体的なアドバイスやチケットなども手続きをしてくれました。
この事は本当に良かったと思っています。
これから、単身で海外旅行に行こうと思っている方も、一度旅行会社に行って相談されてみると良いですよ。
旅行のプロですから、様々な情報やアドバイスをくれますから。
いざ、中国へ!
準備もそこそこに、父に見送られて中国に出発する日が来ました。
「お前も好きやねぇ〜」
と親父が言葉をかけてくれました。
何となくこの言葉が胸に響いていました。
親父はこの時、
(息子はいなかったものと思おう)
と思っていたのだとか。
やはり若さと突発な行動が、危うい感じを出していたのでしょう。
もちろん、中国では死にそうになり、大変な思いをしてきました。
危うさ満点の行動っぷりです。
若さ故の危うさだったのでしょう。
もし、19歳で初めて海外に行くなら、ツアーか旅行慣れした人と一緒に行った方が良いですね。
19の頃の私にアドバイスするなら、ツアーで行けと言いたいです。
絶対に言う事は聞かなかったと思いますが。
フェリーに乗って中国へ
下関までのスクーターは、難なく行く事ができました。
スクーターで鹿児島から東京まで行った事がありますから、下関なんてちょろいもんです。
お尻が痛くてたまらなくなりますが。
船旅は出会いがたっぷり
船の部屋は1番安い二等というチケットを取りました。
広い部屋に数人で雑魚寝です。
そんな感じなので、一緒の部屋の人とは仲良くなれます。
その中の人で、中国人のマーさんという方がいました。
日本に数年いらっしゃったとの事で、日本語がとても上手で私のことを心配してくれました。
「中国は悪い人も多いから。」と
そして、
「頼る人はいるのか?」
「泊まるところはあるのか?」
「中国のお金は持っているのか?」
という質問の嵐の答えは全部「NO」の私は、心配の対象に違いありませんでした。
船の中で知り合ったマーさんに、両替してもらって、青島から大きな都市まで連れて行ってもらった
「お金、両替してあげるよ!」
と日本円しか持っていなかった私に、中国元を両替してくれました。
しかも、ちゃんとしたレートでです。
本当に良くしてくれました。マーさん。
思えば、中国の人に本当にお世話になって、良くしてもらってきました。
だから私は、中国が大好きです。
中国人にはいい思い出しかありません。
そしてマーさんは、青島からしばらく行った大きな街まで連れて行ってあげるよ!
と言って、車で5時間くらい走った都市まで連れてきてくれました。
旅の成り行きとはいえ、思いもよらない都市で、思いもよらない事になりました。
思いもよらない都市にヒトリ。
済南という都市に着いて、1人になりました。
本当によくしてくれたマーさん。
気をつけて旅、楽しんでね!
という事でしたが、これがこの中国旅のスタートになりました。
10日で青島に帰ってフェリーに乗って日本に帰る。
青島まで350kmくらいです。
これなら自転車で10日で帰れるんじゃない?
と思った私は、自転車を1,500円で現地調達し、青島までの旅をスタートしたのでした。
日本と同じような感覚で自転車に乗ったのが失敗だった
日本なら、ものの数km、遠くても10km進めばどこかにかは店があります。
飲料水や飲食などできます。
しかし、ここは中国。
中国という大国は、本当に何もない地域は何もない。100kmくらい何もありません。
そこに、1,500円の安物チャリで行こうもんですから、もう大変すぎる思いをしてきました。
これは、下手すると命をおとしていても不思議じゃないレベルの無謀なことをしています。
19の夏、若さでバカな旅は、いよいよこれからです。