ピッチャーをすれば、肘や肩をケガするのは当たり前。
かと思っていました。が、実際はそうではないのだと知りました。
求められるのは、ケガしない選手。
長く活躍できる選手です。
今回は僕のようなケガして投げられなくなるピッチャーが1人でも少なくなればと思いを込めて書きたいと思います。
ピッチャーに大事にしてほしいこと
ピッチャーは誰でもできるポジションではありません。
ピッチャーをしているあなたは、選ばれた貴重な存在なのです。
チームには1〜3人ほどしかいません。
人は自分のできることを軽く見てしまうところがあります。
これくらい、誰だってできるでしょ。と。
しかし、チームでピッチャーができる存在はそう多くはないことを覚えておいてください。
そして、ピッチャーは自分の体を大切にすることがチームにとってのプラスになるのだと分かっておいてほしいと思います。
野球はピッチャーがいなければ、成り立ちませんから。
長く活躍できるピッチャーの条件
150km/hのストレートを投げることができるピッチャーが必ずしもマッチョマンであるかといえば、そうではないですね。
佐々木郎希投手は細身ですが、163km/hという高校生記録を更新しました。
出典:毎日新聞より引用
一時期、過度なトレーニングでマッチョマンになってピッチャーをする人が多い時期がありました。
しかし、そんな選手は長続きしないです。
ピッチングは力で投げるのではないのです。
無理のない投球フォームを獲得することが1番のピッチャーの目標です。
細い体でスピンの利いた豪速球を投げる選手をたくさん知っています。
筋力トレーニングがダメだと言っているのではありません。
試合では、投球を100回以上繰り返すピッチャーにとって、下半身や体幹のトレーニングは必須でしょう。
それはマッチョマンになるトレーニングとは異なります。
マッチョマンになることは間違った道であると言えるでしょう。
・無理のない投球フォーム
・力み過ぎない投球フォーム
・安定したリリース
・入念なウォーミングアップ、いきなり投げない
・肩周辺の柔軟性アップ
・投げ過ぎない
要は大切な肩やヒジに無理な負担をかけないことと、ウォーミングアップをしっかりしてから投げはじめるという事です。
ウォーミングアップとクールダウンをしっかりできる選手が一流選手の条件であると考えます。
ウォーミングアップをしっかりとしてから試合に臨めば、そう簡単にはケガはしないものです。
2019年に引退されたイチロー選手は本当にケガしない選手でした。
イチロー選手は何時間も前から試合会場で入念な準備をしてから試合に臨まれていたそうです。
まさに一流選手ですね。
試合会場に最低でも1時間半前には入って、アップをしっかりしてから試合に臨んでほしいと思います。
多すぎるブルペンでの投球練習
試合前にブルペンで投げすぎるのも日本野球の特徴の1つでしょう。
可能ならば15球程度でフォーム確認とリリースを作ってほしいところです。
毎試合同じように投げているつもりでも、違う感じがするのがピッチャーです。
毎試合違うのです。
その違いを意識して、その日のリリースを作って試合に挑むのがピッチャーの仕事だと思います。
変化球も同じように、この前と同じ変化を投げられないのです。
その日の変化球の感覚、リリース、狙いどころを見つけていきます。
ブルペンでは15球と言いましたが、それはキャッチャーを座らせて試合と同じように投げるのが15球。
ブルペンの投球を減らすキャッチボール
キャッチボールの時から変化球の感覚のチェックや、ストレートのリリース、牽制の練習やクイックモーションの練習など、意識してやるべきです。
何となく投げるキャッチボールをピッチャーにはしてほしくない。
試合で投げるフォームで、キャッチボールも行うことで、ブルペンでの投球数を減らすことは可能でしょう。
肩ヒジには、ピッチャーの投球できる耐用年数があるのです。
限りある一球を大切にしてほしいと思います。
無理のない投球フォームとは?
どうすれば無理のないフォームなのか、と聞かれたら、一概にはいえないのですが、共通して言えることといえば、力み過ぎないことです。
それと、グローブをつけている手の位置が大切です。
グローブをつけている方の手が、早く開いてしまうと、肩とヒジに負担がかかりますし、ボールをリリースポイントまで持っていることができません。
フィギュアスケートの選手が言っていたことに、ピッチングとの共通点を感じたことがありました。
「左手はカラダの前でキープしながらトリプルアクセルを飛ばなければならない。」
あの、空中で高速回転するフィギュアスケートのジャンプも左手はカラダの前に常に置いておくとのこと。
野球でも、ピッチングの時にピッチャーはカラダの前にグローブの手をキープしておいた方が、リリースが安定します。
フィギュアスケートとピッチャーの意外な共通点を発見した瞬間でした。
踏み出す足に対したリリースポイント
当然ながらピッチャーは投球する腕と反対の足を踏み出してから投球します。
踏み出さずに投球することはありません。
この足を踏み出してから、ボールが指を離れるまでの、ごく短い時間で体をひねりホームベースの前の線と胸のラインが平行かやや腕が前になります。
力むと胸と腕のラインがまっすぐ綺麗に出ません。
あくまでもリラックスして、自分のポイントまでボールを持ち続けることが大切。
力むとボールが早く腕から離れてしまいます。
抜けたボールというのはこの力みでボールを早くリリースしてしまった結果なのです。
多くの変化球を持ち玉にしない
変化球は、当然多いほどバッターは困るのは確かです。
しかし、速い系の変化球が3つあっても、あまり怖いとは思わないものです。
バッターはタイミングで打つのです。
そのタイミングを狂わせるのが、ピッチャーの技の一つで、バッターはタイミングを狂わされるとまともなバッティングはできないものです。
一球一球、少しずつ握りを変えて投げている。
なんてピッチャーがいますが、こんなことができるのであれば、大したもんです。
話が逸れましたが、変化球はしっかりと投げられるものをまずは1つ作りましょう。
中途半端な変化球を試合で投げれば、カウントを悪くしてしまうだけです。
変化球の練習はキャッチボール中に
変化球は遊びの中で練習しましょう。一球一球大事にしなさいと書きながら、遊びの中でって、と思われるかもしれませんが、実はピッチングの中では遊び心も大切な要素です。
気楽なキャッチボールの中で、ナックルボールやチェンジアップ、フォークなど練習しましょう。
意外と、ちょこちょこ投げていると上達します。
変化球で肩ヒジを壊す可能性
変化球は肩ヒジを壊す可能性が高い。
特にフォークボールなんて、ヒジを壊すリスクが高い。
本当にそうでしょうか?
どのスポーツ界でもそうでしょうが、根拠のない言い伝えがずっと残っている傾向にあります。
上原浩治投手は、フォークピッチャーでした。
かなりのフォークボールを投げてきた投手ですが、長いプロ野球人生で一度も肩ヒジにメスを入れていません。
変化球を投げるときに、変な力が入ってしまって自然なリリースが出来ずに結果的に肩ヒジを痛めてしまいます。
自然なリリースができる変化球を練習しましょう。
僕の場合は、カーブがストレートよりも投げやすいフォームになり、カーブなら何球でも投げられるピッチャーになりました。
逆にスライダーは力んでしまいダメでした。
まとめ
話がまとまらなくなってきたので、この辺でやめておこうと思います。
要は、自然なリリースで肩ヒジへの負担を最小限にしてピッチングしましょう。
ということ。
自然なフォームと言いますが、これを習得するのが大変なのです。
それでも、プロ野球を見て、自分のフォームを動画で確認して、自然なフォームに近づけていってください。
自然なフォームが強くスピンの効いたストレートを投げる1番の道です。