理学療法士と作業療法士の違いは?得意分野からみるポイント

よく聞かれる質問に、「理学療法士と作業療法士の違いは?」というものがある。

理学療法士は足

作業療法士は手

であると言われているが、それもざっくり過ぎてよく分からない。

今回は理学療法士の僕が考える、作業療法士との違いについて書いてみようと思う。

リハビリはどちらが行うの?

もう日常的な言葉になった「リハビリ」。このリハビリは理学療法士、作業療法士のどちらもリハビリを行います。

リハビリが両職種で行われていることが、紛らわしさになっているのだろうと思います。

もう一つ、言語聴覚士という仕事もありますが、こちらは言語。ですから、イメージはしやすいですね。

ただ、言語聴覚士はご飯を飲み込む動作の「嚥下」の訓練も行います。

さらに、機能訓練士などもリハビリを行なう場合があります。

リハビリはたくさんの職種で行われているのです。

起源が異なる作業と理学

今から2500年ほど前のギリシャ時代、お医者さんだったヒポクラテスは、「運動が健康の維持や疾患の回復に有効である」と言っていたそう。

リハビリや理学療法士、作業療法士の考え方は紀元前の時代からあったということです。

そして、反復運動が理学療法士の起源だったのに対し、作業療法士の起源は、精神医学の分野からであると言われています。

ある行為を通じて、精神的にも回復し、社会復帰を果たしていく。

理学療法が動作そのものの獲得を目指すのに対して、作業療法はある訓練を通じて社会復帰を目指すものと言えそうです。

それぞれの得意分野とは?

理学療法士は、基本動作の訓練が得意です。

基本動作とは、寝返りから起き上がり、立ち上がって歩くまでの動きの事です。

言葉通り基本的な動きの事です。

なんらかの障害で基本動作がうまく行えなくなってしまった方に対して、訓練を行うことで、基本動作を上手に行えるようにする事が目標のリハビリです。

それに対して、作業療法士の得意分野は、応用動作です。

ご飯を食べる、食器を洗う、ペンで字を書くなどなど。

日常生活、仕事復帰など、社会へ向けた訓練を得意とするのが作業療法士です。

そのものの動きの獲得、というよりはさまざまな場面に対して応用できる柔軟さの獲得を目指します。

身体面の理学療法士・社会面の作業療法士

理学療法士がリハビリするのは、身体的に障害があり、歩くことが難しかったり、身体を自力では動かしにくい人が対象です。

作業療法士がリハビリするのは、身体的な障害は軽めで、社会復帰や家庭復帰へ向けた自主的行動や判断する力を養うことを目的とする人が対象です。

同じリハビリであっても、動きを見る理学療法士と社会力を養う作業療法士は、見ている目標も異なるでしょう。

まとめ

これまで、理学療法士と作業療法士の得意分野を書いてきました。

どちらがいいという事もありませんし、どちらも必要であると言えるでしょう。

また、どちらの療法士もどちらの要素も含めてリハビリを考えています。

それは、みんなに基本動作は必要ですし、社会的な応用動作も必要ですから。

みなさんがこの記事を読んで、理学療法士・作業療法士がどんな仕事をしている人か、イメージができるようになれば、嬉しく思います。