世界自転車旅行記1こぎ目「世界一周してくるよ!」

24歳の頃、専門学校を卒業して、理学療法士の資格を無事に取得して、就職から3年のとき。

自分の将来について考えていた。

「ずっと何かに縛られて生きているなぁ…」

漠然とそんな気持ちになっていた様に思う。

学生の頃は毎日学校へ行って、卒業したかと思えば、毎日仕事をして…。

「なんか自由になりたいなぁ」

というのが、最初の動機だった。

電波少年

子供の頃、電波少年という番組が好きで、毎回欠かさず見ていた。

特に、外国をヒッチハイクで旅するコーナーが好きで、ロッコツマニアというお笑い芸人が旅する時をよく覚えている。

砂漠やら都市やら、いろんなところを旅していて、大変なんだけど生き生き輝いていた。

僕もいつかは外国を旅したい。

彼らを見ていて、幼心にそう思っていた。

母の猛反対

「自転車で世界一周してこようと思う」

親に言った時、反応は一時停止して、変な空気が流れた。

僕が言い出したら聞かない性格だということは、親が一番わかっていると思う。

これは本気だな…。

とこの時に親父は察したそう。

その後、親父は理解を示してくれた。

男同士、ロマンを分かってくれたのだと思う。

しかし母は、初めから出発まで、出発してからも、猛反対だった。

僕は気にせず着々と準備を進めていった。

いつか分かってくれるだろうと思っていたが、僕の諦めの悪さは母に似たのだろう。

お互いにお互いの主張を緩めることはなく、僕は「外国を旅する。」母は「絶対ダメ」の平行線のままであった。

目的は何?

「自転車で世界一周してくるよ!」と準備を進めながら、みんなに言っていた頃、よく聞かれていたのがこの言葉。

目的は…

「行ってみたいから。」

「自由になりたくて。」

という感じで言っていた。

そのくらいしか言えなかったんだな。

行った後、今聞かれたら、

「外国に行って、いろんなもの見て、いろんなものを食べて、いろんな人と触れ合うことは、人生の宝になる」

と言えるけれど、経験の無い僕は、行ってみたいの一心で準備を進めていった。

仕事を辞めるとき。

新卒からお世話になってきた職場を辞める時が来た。

6年間 務めて、27歳になっていた。

両親への説得や、自転車の準備、旅の練習、貯金などやっていたら、3年の時間が経過していた。

本当にお世話になり、感謝してもしきれない職場だった。

本当なら、職場を辞めずに2、3カ月、海外旅行をしに行けたらいいのだけど、そんなことできるわけなくて、仕事を辞めて旅行するしかない。

ヨーロッパの人々などは、バカンスという夏休みの様なものが6週間ほとあったりするみたいだけども。

無事に職場を辞め、その数日後には自転車世界旅行に出発していた。

もう、旅をしたくてたまらなかったのだと思う。

実家に引っ越して、片付けもそこそこに旅へと出発した。

世界一周してくるよ!

2012年6月3日。

忘れもしない、出発の日。

羽ばたいて自由になるー!と思っていた。

しかし、実力も無い井の中の蛙だった自分は、日本の外に出た瞬間に、何もできない買い物すら苦労する不自由さを実感するのだった。

そんなこととはつゆ知らず、同級生や親に見送られルンルン気分で出発するのだった。

これは後から聞いたことだが、僕が出発した後、母は泣いていたそう。

親心、子知らずじゃないけど、母の気持ちをこの時は考えもしなかった。

これから楽しむぞという思いしか頭に無かった。

なんて自分の事しか考えてないんだろう。

でも、何かする時に、反対派の声を聞いてばかりいては何もできないままになってしまう。

準備をしっかりして、僕は世界へ旅に出た。

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